東京地方裁判所 昭和46年(特わ)1416号 判決
本店所在地
東京都台東区柳橋一丁目三番六号
三宝商事株式会社
(右代表者代表取締役 三浦稔)
本籍
宮城県古川市七日町九番地
住居
東京都台東区谷中七丁目六番八号
会社役員
三浦稔
昭和七年三月二三日生
右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官米田昭出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告会社を罰金一三〇万円に、
被告人三浦稔を徴役三月に、
ただし、被告人三浦稔に対し、本裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。
理由
〔罪となるべき事実〕
被告会社三宝商事株式会社は、東京都台東区柳橋一丁目三番六号(昭和四四年九月一六日以前は同都千代田区神田鍜治町一丁目四番地)に本店を置き、バーの経営等を営業目的とする資本金六百万円の株式会社であり、被告人三浦稔は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄掌理していたものであるが、被告人三浦稔は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外して簿外預金を蓄積するなどの不正な方法により所得を秘匿したうえ、昭和四三年七月一日より同四四年六月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一三、九三〇、一六一円であったにもかかわらず、昭和四四年九月一日東京都千代田区神田錦町三丁目二一番地所在、当時の所轄神田税務署において、同税務署長に対し、所得金額が零で納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって同会社の右事業年度の正規の法人税額四、六六五、五〇〇円を免れたものである。
(なお、右所得の内容は、別紙一の修正損益計算書記載のとおりであり、税額の計算は、別紙二の税額計算書記載のとおりである。)
〔証拠の標目〕
事実全般につき
一、被告人三浦稔の当公判廷における供述
一、西岡誠の検察官に対する各供述調書
一、被告人三浦稔の検察官に対する各供述調書
一、登記官作成の登記簿謄本
一、押収してある法人税決定決議書綴一綴(昭和四七年押一三三号の9)
各勘定科目につき(カッコ内の算用数字は、別紙一修正損益計算書記載の勘定科目の番号を示す)、
一、次の者の作成した各上申書
1. 鈴木富三郎
「三宝商事株式会社の売上額について」と題するもの(1)
「五反田ウラシマ店の売上額について」と題するもの(1)
「報酬、給料、賞与について」と題するもの(6、7)
「給料、賞与について」と題するもの(7)
2. 折笠たか
「三宝商事株式会社(上様扱分)について」と題する書面(4)
3. 海老原嘉雄
「三宝商事株式会社との取引について」と題するもの(4)
4. 服部了二
「簿外経費支出について」と題するもの(8ないし25、28ないし34、36、37)
「簿外の雑収入について」と題するもの(38)
「簿外借入金並に簿外支払利息について」と題するもの(39)
5. 安田耕作
「決算資料の提出について」と題するもの(5、8ないし12、14、15、17ないし25、28ないし32、34)
一、羽山正男、西川勝蔵および塙信男作成の各回答書(2)
一、大蔵事務官福岡良平作成の次の各調査書
「料理飲食等消費税調」と題するもの(2)
「仕入額調査書」と題するもの(4)
「役員報酬支給額調査書」と題するもの(6)
「給料手当支給額調査書」と題するもの(7)
「収支日計表集計表」と題するもの(8、9、11ないし16、18ないし22、28ないし30、32ないし34、38)
「経費支出額調査書」と題するもの(8ないし25、28ないし34、36、37、39)
「事業税額調査書」と題するもの(35)
一、許弼爽作成の「証明書」と題する書面(38、39)
一、三井銀行雷門支店作成の「残高証明書」と題する書面(五通)(38)
一、五味惣一郎作成の「残高証明書」と題する書面(38、39)
一、次の者の大蔵事務官に対する各質問てん末書
1. 折笠たか(4)
2. 鈴木富三郎の昭和四五年七月三一日付(6、7)
3. 服部了二(8ないし25、28ないし34、36、37)
4. 被告人三浦稔の昭和四五年一〇月一九日付(1、2、6ないし25、28ないし34、36ないし39)
一、押収してある売上伝票綴七綴(前同押号の1ないし7)(1、4、36)ならびに収支日計表三袋(同号の8の1ないし3)(4、6ないし16、19、20、22、28、30、33、34、38、39)
〔法令の適用〕
被告会社につき、法人税法一五九条一項、一六四条一項。
被告人三浦につき、同法一五九条一項(徴役刑選択)、刑法二五条一項。
昭和四七年三月一〇日
(裁判官 小田部米彦)
別紙1
修正損益計算書
三宝商事株式会社
自昭和43年7月1日
至昭和44年6月30日
〈省略〉
別紙2
税額計算書
〈省略〉